板倉造りの構造(落とし板構法)
柱や土台、梁等の軸組に溝を掘り、そこに厚さ30mmの杉板をおとし込む構法です。
この構法は、地震時等の水平力に対して、木材が唯一粘りを発揮する横圧縮(メリコミ)で吸収する構法です。
同時に、溝堀りされた軸組の中にこの杉板が納められている為に、脱落や剥落などの構造体の耐力の急激な減少につながる破壊を生じない。 これは昔からの伝統構法である「貫構法」に似たところがあります。
伝統民家で伝えられてきた耐震性能は、この「貫構法」に代表される木(特に杉材)の持つやわらかさ(メリコミ)を生かす「しなやかな」構造ではないでしょうか。
「板倉造り」はやわらかい材料からなるやわらかな構造になります。
板倉造りの室内環境
昔の「板倉造り」は穀物の倉庫としてつくられ、室内環境は面する木によって、バランスのとれたものになっていた様です。
木の家も気持ちが良いとよく言われます。要因を考えると 【1】日本特有の湿気への対策と、【2】冬、夏の外気との差の克服をどの様に考えるかです。
【1】の湿気対策は、当然調湿効果です。日本古来の材料は、ほとんどがこの特質をもっていました。土、紙、そして木である。特にこの木材(特に杉)は、表面2~3mmの部分で吸放湿している。120mm角の3mの柱では、牛乳ビン一本分の効果がありそうです。
【2】の外気との温度差は、これも当然として断熱効果である。杉材には、10kgのグラスウールの半分ほどの断熱効果があると言われています。特に杉は、中の道管の多さからその効果が高いと思われます。
先述した調湿の効果は室内の湿度を軽減し、この断熱効果とあいまって、心地よさを増すと思われます。
板倉造りの経済性
板倉材を徳島のS.B.(セーフティーボート)住宅協会にお願いしています。徳島は、以前より足場板の生産地で有名なところです。その洗練された技術と取組みの杉材です。
厚さ30mmの杉を、床、壁、天井に共通とし、同一材を多くすることにより、コスト削減に結びつけたいと考えました。
床、壁、天井に厚板を使用することは下地材を兼ねます。床であれば、根太、壁であれば胴縁や間柱。天井ももともとの下地材が仕上材になっています。特に板倉の壁は、建前の時の状態がほとんどの仕上げになる。法律の問題は多少残りますが、板倉を外部に露出することにより、より一層の工期短縮になるはずです。
板倉造りの工程(一部)
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- パネル化された板倉材は上棟時に立て込まれます。
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- 立て込み中の板倉材。
柱の溝(みぞ)に落とし込んでいきます。
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- 板倉と落とし込んだ後に、梁(はり)をかけていきます。
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- 1階が貫壁(後で、小舞(竹を組んだ下地)を取り付けて土壁をぬる。)、2階が板壁の上棟準備がほぼ完了した状態です。 梁と桁はわたりあごで組まれ、きれいな木組みに仕上がっています。
